Tokyo 5G Boosters Project

5G技術活用型開発等促進事業
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5G技術活用型開発等促進事業

Tokyo 5G Boosters Project DEMODAY 2023イベントレポート

東京都は、2023年2月16日に本事業のこれまでの成果発信や今後のスタートアップ企業による5G関連製品等の開発促進などの機運醸成を目的として「Tokyo 5G Boosters Project DEMODAY 2023」を開催しました。
本イベントでは、東京都のDX施策の説明やKDDI株式会社の中馬和彦氏による基調講演、本事業採択事業者(開発プロモーター)8者による成果発表を実施しましたので、その概要とスタートアップ14社の開発内容(動画)を紹介致します。

イベントの概要はこちら

開会挨拶(収録動画)およびTokyo 5G Boosters Projectの事業紹介

登壇者
東京都副知事
宮坂 学

有限責任監査法人トーマツ
上田 芳晴
冒頭に東京都副知事宮坂学よりご挨拶および東京都のデジタル化推進の方針に関するご紹介をした後、 Tokyo 5G Booster Projectの運営事務局を務める有限責任監査法人トーマツ上田芳晴氏から当事業の概要説明をしました。

事業紹介 東京都5G等のDX施策の説明

登壇者
東京都 デジタルサービス局 デジタルサービス推進部
担当者
東京都デジタルサービス局デジタルサービス推進部担当者より、西新宿地区におけるスマート東京推進をはじめとする東京都のDX施策の説明をしました。

基調講演 「オープンイノベーションを通じた社会の自律的発展に向けて」

登壇者
KDDI株式会社 事業創造本部 副本部長
中馬 和彦 氏
KDDI株式会社中馬和彦氏よりオープンイノベーションを通じた社会の自律的発展について講演いただきました。
  • KDDI株式会社のオープンイノベーションに対する姿勢

    経済産業省によるスタートアップとの連携を通じたオープンイノベーションに積極的な大企業に関する調査では、5年連続で1位に選ばれています。その背景として元々KDDI株式会社は自社事業の拡大よりもM&Aによる新規事業開発により事業規模を拡大してきたということがあります。時代や技術の変遷に応じて、多種多様な外部の主体と連携することにより常に新しものを求める文化が、自社のオープンイノベーションに対する姿勢に表れているのだと思います。
  • KDDI株式会社のオープンイノベーションに関する取組

    KDDIは、スタートアップのビジネスアイディアやテクノロジーと77社に上る多様な大企業のアセットを連携させて新たな事業を共に創出する事業共創プラットフォーム「KDDI∞Labo」を運営するほか、Open Innovation Fundをはじめとする3つのCVCによるスタートアップ投資に取り組んでおり、公表されているものではこれまでに合計128件の投資を実施しています。また、日本における起業の裾野を拡大すべく東京大学へアントレプレナーシップ教育に関する寄付講座も提供しています。
  • KDDI株式会社のメタバースおよびデジタルツインに関する取組

    KDDIはメタバース分野にも注力しており、現実の渋谷を仮想空間に作り上げたバーチャル渋谷の取組が象徴的です。元々メタバースの構築を想定したものではありませんでしたが、感染症拡大の影響で実店舗の経営に課題を抱える渋谷の店舗からKDDIが持っていたバーチャル空間の渋谷への出店希望を多数受けるようになり、バーチャル渋谷としての取組が本格化しました。ただ元来メタバースを念頭に置いたシステムではないため近日中にメタバースとして最適化された「VC」として生まれ変わります。他方で、非現実的なコンテンツの提供を主眼に置いたメタバースとは別に、実店舗における買い物と同じ感覚で利用できるようなリアルな表現を重視したデジタルツインの事業も展開しています。
  • 5Gとオープンイノベーション

    5G通信はWEBや通信端末の進化と密接な関係にあります。 1対1通信を基本としメールなどのサービスの利用を中心としたWEB1.0の時代はいわゆるガラケーと3G通信の組合せが主流でした。ところが1対N通信が可能となりSNSが普及したWEB2.0の時代には直感的な操作が可能なスマートフォンやそれに応じた通信能力を有する4G通信が主流となりました。現在はN対N通信によりブロックチェーン技術やクリプト技術が発展したWEB3.0の時代ですが、これらを最大限活用できる端末の開発普及が急務である一方で、5G通信も欠かせません。
    5G通信には3つの特長がありますが、それぞれにより様々なサービスが実現可能となります。まず高速大容量による通信により、メタバースなど重いデータ処理を要するサービスもCPUの性能向上と相まって可能になります。また同時多接続によりあらゆる「モノ」を通信の対象とするIoT化も実現できる一方で、低遅延性により医療分野やモビリティ分野などの通信の信頼性が求められる分野への応用も進むでしょう。
    5G通信は既存のビジネスモデルにも変化を与えます。昨今は様々な業界で、「モノ」売りと呼ばれる売切りのビジネスモデルから、「コト」売りと呼ばれるサービス提供中心のビジネスモデルへの移行が進んでいますが、5G通信によりこれが加速するでしょう。IoT化により、今までは購入して終わりだった「モノ」が通信により継続的に顧客と販売者の間で対話が行われる「コト」として販売されるようになるのです。
    また、ビジネスモデルだけではなくユーザーの体験にも変化が表れるはずです。今までインターネットや通信とあまり関わりのなかった農業などの一次産業も、あらゆる「モノ」を通信によって接続してしまうIoT化を考えれば通信とは無縁ではいられません。むしろアナログなものほど5G通信との相性は良いのです。これにより従来通信とは無縁だったあらゆる「モノ」をユーザーがスマートフォン一つで全てアプリケーションとして体験することができる世界が来るわけなのです。
    5G通信には低遅延性という特長もありますが、これは従来のコミュニケーションも変えてしまいます。これまで生産者と最終消費者の間には販売事業者などの中間事業者が介在してきましたが、リアルタイムで即時に通信しコミュニケーションができるのであれば両者を直接繋げてしまうことも可能です。
    これまで述べたように5G通信は産業の枠や国境を取り払い、全てを一緒くたにしてしまいます。そのようななかでは産業の垣根を越えたコラボレーションが必要ですが、それにはオープンイノベーションの考え方が必要不可欠です。スタートアップ企業はもちろん、そのほかのあらゆる業界を巻き込んだイノベーション創出がこれからは求められるのです。

開発プロモーター及び支援スタートアップ企業によるプレゼンテーション

本事業に採択されている計8者の開発プロモーターより、各者および支援スタートアップの取組についてプレゼンテーションを行いました。
TIS株式会社
JCG社およびAMATELUS社によるeSportsイベントの取組や、Piezo Sonic社による屋内外の搬送用ロボットの取組など支援先スタートアップの取組を紹介しました。
株式会社クリーク・アンド・リバー
アーティファイ社による機械の遠隔操作システム事業や、エピソテック社によるARマニュアル事業など支援先スタートアップの取組を紹介しました。
プロトスター株式会社
FMB社のデジタルサイネージ事業やHoloeyes社の遠隔診療技術の取組など支援先スタートアップの取組を紹介しました。
株式会社インフォシティ/株式会社ビットメディア/株式会社テクノネット
Master Visions社をはじめとする支援先スタートアップによる二子玉川地域のコミュニティ型実証実験の取組やstu社を中心としたホールスタジオ型実証について紹介しました。
ReGACY Innovation Group株式会社
LOMBY社の遠隔操作ロボットによる配送事業やSpatial Pleasure社の音楽を用いた感性データ活用の取組など支援先スタートアップの取組を紹介しました。
ダイナミックマッププラットフォーム株式会社
ビーブリッジ社によるAR広告サービス事業やスカイマティクス社およびブルーイノベーション社によるドローンの災害対応活用の取組を紹介しました。
株式会社エイビット
Milk.社によるハイパースペクトルカメラに関する取組やリブト社による内視鏡の医療ビューワーに関する取組を紹介しました。
日清紡ホールディングス株式会社
agbee社による工場や農業向け運搬ロボットに関する取組やハウディ社による住宅のスマート化の取組など支援先スタートアップの取組を紹介しました。

当日成果報告会後の展示会では、支援先のスタートアップ企業のサービスが紹介されました。

※本映像の無断転載・無断使用等を固く禁じます。